「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年! 最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。
本屋で買い物を済ませて出ようとした瞬間に平積みになっているのが目に入り、即買い。
火村シリーズ30周年。自分が推理小説を読むようになってからそれくらい経っているということだ。
コロナ禍の中の火村とアリスという設定は新鮮でもあり、ああそうだろうなと納得されられる部分もあった。
お馴染みの面子との掛け合いも息が合ったもので、30年という時間に育まれた安定感のようなものがある。
そういう意味では懐かしく、安心して読みすすめることができた。
ただ、何だろう。読み終わったばかりの今の段階では、まだ心の中に落ちてくるものがない。
「圧倒的にエモーショナル」であることは感じ取れるものの、そのエモーションに共鳴できない自分が居るのである。
これは歳を取ったからなのだろうか?
何か大事なものを読み落としているのか。
とりあえず、もう一度読み直してみようと思う。